RX-8はここがイイ!

試乗を終えて、改めて見てみたRX-8の気に入った点。

マツダの情熱

いや、ほんとにね、マツダ、すげーがんばったと思うわけです。いったん生産中止になってしまったロータリーエンジンを積んだスポーツカー。もはや、これまでかと思われたわけですね。しかも、親会社フォードからのプレッシャー、少ない予算と開発要員、設備、技術的課題・・・。私は車を作るのがどれだけ大変かは知りません。ただ、こんな悪条件の中の開発はホント、きつかったと思うんですよ。それをNAのREとして見事に復活させたマツダ。もう執念ですよね。技術者の。えらいと思います。

しかも、中にはナンパだの、後部座席があるのは妥協だの、色々な声もありますが、4シーターですよ。私みたいな家族持ちにはなんともありがたいパッケージかってことですよ。しかもその4シーターをこう、センス良く、しかも破綻なくまとめあげたんですから、デザイン力にも脱帽です。

これからも、決してロータリーの火を絶やすことなく、ロータリースポーツを作り続けてほしいと願ってやみません。そして4人が乗れるラインをキープしてもらいたいですね。

デザイン

RX-8の最大の魅力でもあるのがスタイリングですね。スポーツカーの定義なんて種々、人それぞれ意見があって、常に結論に達することはないわけですが、車素人の私からすると、これはもう「見た目」につきます。見た目がスポーツしているか。あのフェラーリが同じ性能でも、見た目がミニバンやセダンやSUVだったら、スポーツカーになり得ないわけです。

そういう意味では、光岡の「オロチ」なんかは個人的にはど真ん中スポーツカーですね。

そういった見た目という点で、RX-8はスポーツカーです。はい。あのフロントフェンダーの起伏、曲線と流れるようなラインを多用した造形。小さく見えるよう工夫がされたキャビンのデザイン。欲を言うと、リアはもう少し色気があってもよかった気がしないこともないですが。RX-7とかは色っぽかったんですけどねー。

ま、そのリアデザインですら、目を三角にして走らずとも絵になるRX-8の性格が出ていて、嫌いではないです。そして、一般車に混ざって走っていても、変に浮くこともなく、まさに大人のスポーツカー。キャラクターにあったすばらしいデザインだと思います。

エンジン

これも、素人の私が語るのはおこがましい話になります。しかし、誰しもが語るように、NAロータリーのあの「ヒュイーン」という音は独特で官能的です。意外に社内は静かで長距離ドライブしてもうるさくなく、音で疲れるということはなく、まったりドライブもできる、そんな、GT的な要素もあると思います。

残念ながら3000rpm以上回したことがないので(さすがに試乗車なので遠慮しちゃいました)、高回転でのエンジンの味わいはわからないのですが、あのエンジンを高回転までヒュイーンとやったら、さぞかし爽快なんだろうな、と思います。

また、想像していたよりもずっと扱いやすいという印象があります。よく低速トルクがないなどといわれていいたので、試乗のときはエンストしないかハラハラしたのですが、ゆっくりクラッチをつないで走ったためか、一度もエンストせずに済みました。信号ゼロヨンでもしない限り、特にスタートもトルク不足は感じませんでした。今乗っている10年前の2Lセダンと同じくらいの加速は十分できました。

6MTを試乗したのですが、街中であれば、2〜4速のどのギアでも走れてしまう感じで、ちょっと拍子抜けするぐらい扱いやすかったです。別段ギアを落とさなくても、待ち乗り程度であれば、アクセルを踏むだけでエンジンは回り、加速しますし、むしろ下手なコンパクトカーなんかよりも運転しやすいのではとも思いました。これならフツーのオトーさんも安心して乗れそうです。

コックピット

ものすごい狭いコックピットを想像していたんですが、普段シートは前目のドラポジの私からすると、親父セダンに比べて、ものすごい狭いという感じは受けませんでした。ただ、ミニバンのような大きい車に比べると、さすがに居室というより囲まれた空間であるコックピットという感じがしてきます。

キーをひねると自光式のタコメーターが浮かびあがります。これがカッコいいんです。最近は主流なんでしょうが、昼間でもかなりくっきり見えて、いい感じでした。フードも深く、光が入り込んで見れないということもなさそうです。デジタル式の速度表示はできればアナログがよかったなぁととも思うんですが、タコメーターとスピードメーターが目線の移動なしで捕らえられるのでこれはこれで使いやすいような気もします。

試乗車はナビがなかったのでナビを立ち上げた時の雰囲気はわかりません。視界とかはどうなんでしょうね。

そして、ドラポジは今乗っているセダンに比べるとやはり低いと感じる位置で、高いという話もみかけますが、むしろ低いという印象を受けました。前車によって印象が変わるんでしょうね。特にそう思ったのはサイドブレーキですね。手を伸ばした先というよりも、体の脇に位置する感じでした。

そして、フロントウィンドウにはボンネットとフェンダーが見えています。ああ、自分はRX-8を運転しているんだということを思い起こさせてくれます。普段自分が運転するときには、自分の車のエクステリアを意識することはありませんが、RX-8の場合、前に盛り上がったフロントフェンダーなどが視界に入るため、ああ、このエクステリアの車に自分が乗っているんだなぁと思わせます。ボンネットが見えているので、前方の距離感はつかみやすいと思います。

後部座席

しばらく運転に夢中になってしまっていたのですが、ふと信号待ちで後ろに目をやると、後部座席で広々と座る妻の姿が。これはイメージよりはぜんぜん広い印象で、下手なコンパクトカーよりは快適かもしれません。RX-8の後部座席はネットでも「広い」という意見と「狭い」という意見がありますが、個人的な印象としてはセダンみたいなゆったりとした広さではないが、コンパクトカーぐらいの広さはあるかな?という感じでした。

ただ、窓は小さく(これが飛行機の窓にそっくりですね。形といい、大きさといい)、前方の座席がヘッドレストまで一体となってそびえたっているので、前方の視界も開けてなく、実際の広さよりは窮屈感はあるかもしれないという印象です。

また、後部座席のヘッドレストの部分が前に多少せり出しているので、体を後ろにあずけにくいということでした。

シフトフィール

免許を取って以来、MT車を運転したのはRX-8の試乗で2回目、それまでは旅行に行ったときに3〜4日ほどスターレットを乗っただけなので、正直詳しいことはわからないですし、他のMT車を知らないのでまったくの素人判断ですが、そのスターレットと比較して、カチカチというふうにそれぞれのポジションでのシフトの位置が決まったところに収まる感じでした。ノッチみたいになっているというか、スイッチのような印象を受けました。

カチカチと節度のあるシフト感ってよくスポーツカーなどのインプレッションでみかけますが、こういうことをいうんですかね。特に入りづらいとか重いとか軽いとかは感じませんでした。5MTのシフトの評判もいいので、こちらも機会があればぜひ試してみたいところです。

ハンドリング

これも車オンチの私には難しいことはわかりませんでしたが、ハンドルは重く感じました。実はその前にストリームとアクセラに試乗したんですが、アクセラもそこそこ重く感じましたが、それよりもさらに重い感じでした。10年前のセダンとそんなに変わらない感じです。最近の車はそれこそ指一本でも回っちゃいそうな電動パワステの軽いハンドルばっかりかと思っていたのですが、RX-8重めに感じました。スポーツ系の車はこんな感じなんでしょうか。

そういった意味で、自分が想像していた中ではハンドリングがスポーツカーしてるなぁと感じました。よく言われる回頭性の良さなどは、緊張していたのと、かなりスピードを落としていたのと、シフト操作に気がいっていたため、コーナリングのフィーリングを実感することができませんでした。機会があればワインディングを試してみたいですね。

トランク

まったく入らないと思っていのですが、結構奥行きがありました。家族3人分ぐらいの旅行ならなんとかなりそうですね。ただ、容量に比べて間口が小さく、大きいものは容積的には問題なくても間口の小ささでアウトになるかもしれません。クーラーボックスとかちょっとつらいかも知れませんね。ま、普段の買い物程度ならまったく問題なさそうです。

乗り心地

すっかり舞い上がっていたので、乗り心地までは意識がいってませんでしたが、妻の意見では硬いということでした。(以前乗ったレガシィと同じような印象だったようです)。前の席と後部座席では印象が違うのかもしれません。STDタイプはさらにソフトな乗り心地ということで、ぜひ比較してみたいですね。